通常のESRシステムでは1つのサンプル測定毎に試料管をキャビティへ脱着しなければならず、その度にマイクロ波の調整を行わなければなりません。また試料管を挿す位置や角度が毎回異なることにより測定再現性が悪くなります。そして、毎回の試料挿入動作が必要なことが自動化への大きな妨げとなり1サンプル当たりの測定時間が長い(低スループット)要因となっています。
一方、フローシステムではキャビティ内にフローセル(またはそれと等価なもの)を固定し、サンプルはそれに接続されたチューブを介して導入します。これにより、測定開始時にマイクロ波調節を行えばその後の一連の測定時にマイクロ波調節は必要なくなり、サンプル液量や試料管の位置が一定であることから測定再現性が格段に高まります。そして通常は定量測定再現性を上げるためにMn標準試料の信号を同時に測定し、それに対する注目信号の比で常磁性種の定量を行っていますが、フローシステムでは再現性向上によりMn標準信号測定の必要がなく注目する信号のみを測定すればよいため、各種の高スループット定量測定が可能となります。
当社ではバルブ切り替え方式、フローインジェクション方式、およびストップドフロー方式の3種のフロー測定システムを提供できます(→ 詳しくはこちら)。そして当社のソフトウェアはこれらのフロー測定システムと連動して測定の自動化および高スループット化を支援し、多量の定量サンプル測定システム構築を可能とし、人件費削減に貢献します。
日本電子社製TEシリーズESR分光計は最初の発表から早約20年が経過しましたが、そのハードウェアはタッチパネル、内蔵PC98X1、およびESPRITシステムを除けば頑強で産業用・研究用として現在でも十二分に通用するハードウェアです。しかしながらタッチパネルや内蔵PC98X1が故障すると、他のハードウェアパーツが問題なくても使用不能に陥ってしまいます。
このままでは廃棄するしかなくなりますが、当社が開発したタッチパネルレスシステムまたはPC98レスシステムにより、使用不能となったTEを復活させることができます。また、同時に弊社のソフトウェアを新規・更新導入することにより最新・最良のシステムをTE上で運用することが可能です。
日本電子社製ESR分光計に設置したNMRガウスメータによって正確にESR測定時の磁場を測定し、WIN-RADで得たESRスペクトルに反映させます。ESR内蔵の、または外付けの周波数カウンタから得た正確なマイクロ波周波数を同時測定すれば、ESRスペクトルから精確なg値を算出することができます。
JEOL社製FE,RE,およびFR30分光計やMagnettech社製MS400など周波数カウンタを内蔵していないX-Band ESR分光計において、g値を得るために必要な外付けの周波数カウンタを提供します。10GHz近辺のマイクロ波の周波数を6-7桁の精度で測定します。上記の精確磁場測定システムがなくても、Mn標準サンプルで網羅できる範囲ならこの周波数カウンタのみで十分精確なg値を評価できます。
Bruker社のESR5000(旧Magnettech社のMS5000と同等品)をベースとしたフローインジェクションシステムなどの各種システムの開発に取り組んでおります。Magnettech社のMS400に対応したソフトウェアやシステムも販売しております。
浜松ホトニクス社製フォトンカウンタC1230と高感度光電子増倍管測光システムに弊社のインターフェースとWIndous10上のデータ解析ソフトウェアを組み合わせた極微弱光データ収集システムです。サンプル測定部分はユーザーが独自に設計して光電子増倍管に近接したサンプルセルを配置することを想定していますが、現状では弊社が開発した培養細胞の化学発光が直接観測できるサンプルセルを提供できます。